2026.04.12 J2J3百年構想リーグ第10節:松本山雅FC vs RB大宮アルディージャ まだまだ足りない新しい原則の徹底。26/27まで間に合うのか。
※noteの記事と同じになります。
試合結果は4-1の敗北に喫したRB大宮アルディージャ。
実は負け戦を分析するほどメンタルがないのですが、この記録的と言ってもいい大敗劇を振り返りたいと思います。
24シーズンの大宮を見ているかのような
まず松本山雅の印象ですが、開幕戦からハイインテンシティを提示してきたのは記憶に新しいですが、今回もまさしくで更に強度を高めたプレッシングでありお見事と言わざるを得ないです。
マンツーマン気味で誰につくのか予め決めて、最初こそは出足が遅かったこともありましたが、徐々に自信を深めて最後は4得点を得たと言う印象です。垂直性の攻撃も高かった。夏場や連戦などのコンディション不調時や怪我人、そしてボールを押し付けてくる相手に対して対策ができれば、J3昇格が狙えそうなリアリストクラブになれそうです。
反面大宮は自爆スイッチを幾度となく押してしまった事と、パスのズレやトラップのズレなど基礎的な箇所のミスが多く攻撃は活性化できず。加えてライン統率、非保持の攻守の切り替えが悪く自ら作り出したカオスすら制御できなくなったと言う印象です。
Lockenによるビルドアップチャレンジの課題が見える試合内容
ビルドアップの解決の糸口に関してはそろそろ解決してもいい頃合い。このハードなマンツーマンだからこそ遂行して、圧倒的な自信で次に進みたかったはず。
ドイツサッカーにおけるビルドアップ手法、Lockenを採用している大宮。GKやDFラインでボールを持ち、相手のプレス隊を誘き寄せて2列目のゾーンをフリーにさせたい狙いがあります。
Spieloffener Spielerと呼ばれる『前を向ける』選手が多い2列目で一気に相手ゴールに迫りたい思惑だったのでしょう。また、右サイドには関口選手もおりスペースがあれば圧倒的なスピードには可能性を作ります。しかしながらSpieloffener Spieler担当の山本選手やカプリーニ選手らは自由にさせてもらえず、カプリーニ選手は無理くり剥がしてましたが、なかなか前を向くことが出来なかった印象です。
であれば、Steil-Klatsch-Steilと呼ばれる言うなればレイオフのように後ろに落として前を向いて、さらに加速する動きができれば、なお理想でしたが噛み合いませんでした。
これは発見ですが、大宮に関しては結構極限的なLockenにより反射的に問題解決をしようとしてるのがわかります。相手が潰しに来るまで、なるべくボールを持ちながら、誘き出し反射的にパスを回したいのではないでしょうか。しかし、高負荷なプレーでの影響からか選手のパス精度が悪くピンチを迎えたシーンは少なくありません。ここが継続すべき内容で、デュエルすら無力化するビルドアップの完成を目指したいと予測しています。
その中でも良かったシーンをDAZNのタイムでお教えします。
1. 27:08
2.53:44
3.55:00
この3つのシーンです。相手のマンツーマンプレスを掻い潜るこことで、ゴール逆算した時にゴール前でしっかりとした優位性を持って行けそうな場面は評価すべき内容です。こう言ったシーンで確実に仕留められるようになるかどうかが保持の際の肝でしょう。
余談:レッドブルサッカーって何?
やはりレッドブルと言えば、エクストリームプレスと呼ばれる極限的なかつ人ではなく、ボールを中心に囲い込ませるプレスがやはり大名詞でしょう。
しかし、松本山雅がやっているプレスはレッドブル的とは言えません。レッドブルがやりたいサッカーと感想を聞く事が多いですが、どちらかと言うとアタランタ的と言えばいいでしょうか。最近流行ってるオールコートマンツーマンっぽいというか。
彼らは明確に人へ、そして1vs1でのデュエルを高速に仕掛ける。ミスが出れば掻っ攫い決め切るようなスタイルでした。前任の長澤スタイルに近いと見てます。となれば本気で勝ちに行くのであれば、やる事は明確だったはずです。
我々のレッドブルサッカーというのは、デュエルする相手が違うと思ってます。
1vs1のデュエルは人でなくボールに対しであり2vs1、3vs1で勝つことから設計しています。そして、それは認知し判断して動くのではなく反射的にする事が理想です。
また、前者とのプレスと違い体力の消耗が少ないので高温多湿でも前者と比較すれば体力の温存も可能というわけです。
あと一人歩きしてる8秒以内に奪い返し、10秒以内フィニッシュはゲーゲン時の話ですが、それを可能にする為には下準備が必要です。
それがビルドアップというわけで、それ無しでは土台のないまま闇雲にボールを追いかける体力消耗戦に繋がり、開幕戦から四苦八苦するでしょう。
その為に大宮は後ろから繋ぎ、相手を複数誘き寄せてボールを前へ出すわけです。今考えられる相手のゴールに近い場所でボールを出せれば、プレスに前へきた相手を嘲笑うかのように、擬似カウンターの発動が出来ながら、奪われても即時奪還攻撃の準備も出来るわけです。
なるべく遠くへボールを出すというプランも、もちろんありますが、空中戦の50:50のボールはフィジカル要素も大きく、確実でもなく選手に頼る形になる。なら技術を伸ばすことを優先するという話なのでは?と思ったりします。
記述と書きましたが少し語弊があって、これに関してはまた別の機会に話したいと思ってます。
失点シーンは原則がまだ根付かないという結論。あと2ヶ月でどこまで切り替えられるか
さて、途方もなく話がそれましたが戻りまして失点シーンに関して振り返りたいと思います。
失点シーンめちゃくちゃわかりやすい事象でした。かと言って改善するには、これまでの常識を覆さないといけず簡単なものではないかもしれないと仮説を立ててます。
1-0のシーン
こちら側のスローインから始まり、曖昧なボールを奪われて即効を仕掛けられる場面です。
ここでの問題は、トランジションが遅れてしまった事と守備のセオリーの部分が咄嗟に出来なかった部分にあると思いました。
あの場面で冷静に考えるなら、ゴールを守る守備を行う事が優先と思われます。ただ、全体で『撤退』して守る動きをしてしまっている為、シュートをフリーにさせてしまった。
村上選手の判断的には後ろに下がるでなく、Vorwärtsverteidigen(前面からアタックする)が最もあの場面で必要なものだったのではと思いますが、、、
あの場面でシュートを打ってくるような位置でもないので判断が難しそうだなとも思います。GKのトムの位置を見られていたのでしょうか。判断、思い切り含めて村越選手のスーパーなプレーでした。
Vorwärtsverteidigenは相手が前を向いた際に、シュートを静観するのではなく、前面からアタックを仕掛けて圧力をかけてシュートコースの限定、そのものの阻止をすることになります。実は4-1の場面もこれが言えます。
2-1のシーン
2失点目はビルドアップミスでした。ボールを2タッチ以内で相手を引き込むことには成功したものの、ボランチに出したパスがズレてしまい本来出したい相手に出せなかった…と考えました。
恐らくですがRSBの関口選手はRCM中山選手に出したかったのですが、相手のプレッシャーもありズレてしまいフォローしに入ったLCM小島選手に渡りプレーが曖昧になってしまった所を奪われてしまったと思います。
ここの問題を捉えるに、原理的に言えばサッカーのピッチは横は短く、横パスは距離が長くなればなるほど危険です。
加えて矢印が折りきれない状況下でのバイタルエリアは、相手に囲まれる状況を作らせてしまう。ここも松本山雅の プレッシングの狙い通りの場所にパスが出たと思います。
ここでの問題は、横パス自体ではなくレーンチェンジを一つ横以上に伸ばさないようにボールに対してポジショニングすることと、Handlungsschnelligkeit(認知→判断→実行の速さ)を上げることに尽きると思います。
大宮のビルドアップは『遅くても正確性』は求めず、『正確でなくても速さ』を求めます。
3-1のシーン
松本山雅の中盤の数が多かった印象がこのシーンを物語ます。しかしながら、あのスルーパスと裏を抜かれたシーンの問題は裏を抜かれたことは間違いありませんが、個人の問題ではありません。
あの場面において、大宮の原則で言えば「ゴールを奪うための守備」を行うべきタイミングというかゾーンだったと思います。
直接的に言えば、ボールを持ったタイミングでラインを上げる事が必要だったのではないかと思います。ラインを上げることで、相手のスペースを潰せたかなと思います。
そしてラインを上げるだけでなく、ボールを中心に選手の配置が遅れてしまってることも問題だったと思います。その為簡単にスルーパスを出させてしまったと思います。
4-1のシーン
ボールが出るか出ないかというところからスタートすると、DFラインはとても良かったと思います。高さ含めて圧縮していました。チェンジサイドされた後のシーンは1失点目と同じ理由です。
シュートを打つ相手に対して、Vorwärtsverteidigenを加藤聖選手が出来ていればというシーンなのかなと見ていて思いました。あそこで容易に撃たせてしまったのが大きいかなとも。
あとは2失点目同様に後ろから最後にPA内侵入する選手への対応です。これは本来ボールより最も遠いサイドの選手が『ボール』と『ゴール』そして『フリーの選手』を見られるように準備すると良いといいますので、ボールウォッチャーにならず準備をできるようになるといいのかもしれません。
それが出来るのかどうかに関して、正直素人の自分にはわかりませんがセオリーで行けばこういう事かなと思いました。
引いて守る相手に対してどうするのか?
そして最後に引いてくる相手に対しての崩し方も発展途上と思います。
これに関して、先日行われたRBライプツィヒの試合で違いが見えるのかなと思いました。
松本山雅は3点、4点と取れたことでプレスを緩めボールを持たせリトリート気味に戦いに来た印象がありました。ここで得点を重ねられるかは、今後リトリートメインのチームへの解決手段を得られるものとなります。
基本やはり中央を固めてくる相手に、サイドを経由して苦し紛れにクロスをし、弾かれてはパスを回して、やっぱりサイドに余裕があるからサイドに人数を割きながらクロスを繰り返す印象です。
ライプツィヒを比較すると、山なりのクロスを上げるケースが滅多にありませんでした。どちらかと言うと低くて速いクロスです。確かに、ヤン・ディオマンデという傑出した個があることは大きいです。
ただ、PAない幅に基本選手を配置させて、ポケットを抉ってストライカーが押し上げた、後ろのスペースに速くて低いクロスを連発していたのは印象的です。
さらに面白いなと思ったのはサイドバックのダヴィッド・ラウムとウイングのヤン・ディオマンデは大外レーンにいる事はあっても、最後にパスをもらうのはPA幅の大外に行き着くところです。ブラインドサイドを狙う、DFの死角から飛び出して受け取り、ハーフスペースからの低いクロスを積極的に狙っていましたし効果的でした。
大宮に足りないのはサイドに広がりすぎず、PA幅での攻撃なのかもしれません。